「コルビュジエさんのつくりたかった美術館」とはどんな本か?
概要:一流の建築家たちが、この美術館を「奇跡」と呼ぶ本当の理由
日本で唯一、ル・コルビュジエが設計した建物として知られる国立西洋美術館。実はこの場所は、世界中の建築ファンから「コルビジェの理想が唯一形になった場所」として、奇跡のように語り継がれていることをご存知でしょうか。
20世紀を代表する巨匠コルビジェは、生涯をかけて「無限に成長する美術館」という壮大な構想を抱いていました。しかし、世界のどの都市でもその夢は叶いませんでした。そんな彼が、最晩年に日本の東京で実現しようとした「答え」とは何だったのか?
本書は、コルビジェの建築思想を、誰にでも分かりやすい「絵本」という形で紐解いた画期的な一冊です。コルビジェという名前は知っていても、彼がこの建物に込めた「本当の願い」を知る人は多くありません。ユネスコ世界文化遺産登録の背景にある、コルビジェの熱い想いに触れてみてください。
内容紹介:「ワインはあるかな?」その一言から始まる、美術館に隠された「成長する仕掛け」の秘密
上野公園の片隅にあるカフェ。一人の少年がコーヒーを飲んでいると、蝶ネクタイを締め、眼鏡をかけた上品な初老の男性が現れました。
「ここには、ワインはあるかな?」 そんな不思議な問いかけから始まった二人の出会い。
少年は、自らを「建築家」だと語るその男性――コルビジェ本人――に誘われ、目の前に建つ「国立西洋美術館」へと足を踏み入れます。
「キミなら、ここをどうする?」
螺旋状に広がる展示室、空から降り注ぐ柔らかな光、そして建物そのものが持つリズム。コルビジェが語る言葉の一つひとつは、単なる建物の説明ではありません。
それは、世界中から集まる文化をどう守り、次の世代へと繋いでいくかという、教科書には載っていない温かな「願い」そのものでした。
特長を捉えた美しい水彩画のような絵が、コルビジェの思想を自然に伝えてくれます。少年の目を通して、読者はこの美術館に隠された「未来への仕掛け」を一緒に解き明かしていくことになります。
■本書の3つのポイント
1、「無限に成長する」という奇跡の構想 コルビジェが1930年代から温めていた「作品が増えれば、それにあわせて建物も渦巻き状に外側へ成長していく」という画期的なアイデア。パリやインドでも完全には実現しなかったこの理想が、なぜここ東京で結実したのか。その歴史的意義を分かりやすく解説しています。
2、「光」の魔法を体験する コルビジェが最も大切にしたのは、建物に差し込む「光」でした。絵本ならではの描写で、国立西洋美術館の特徴である「19世紀ホール」や、計算し尽くされた自然光の美しさを情緒豊かに再現。読むだけでコルビジェの設計した空間を歩いているような臨場感を味わえます。
3、100年後の未来へ向けたメッセージ 「今いる人のために。100年後の人のために」 本書の根底に流れるのは、持続可能性や文化継承という、現代において最も重要なテーマです。建築ファンだけでなく、お子様への情操教育や、アートを愛するすべての方の心に響く一冊です。
■本文より抜粋
「おじいさんはとても嬉しそうに言った。 『キミならここをどうする? 今いる人のために。 100年後の人のために』」
――巨匠コルビュジエが少年に、そして私たちに投げかけたこの問いに、あなたならどう答えますか?